会場は福岡ROOMSだった。日曜日の14:30開演ということで、土日休みの社会人にも優しい時間帯にライブが行われた。
私は今まで案外弾き語りのみのライブに行ったことがなく、新鮮なライブだった。今回のライブは崎山蒼志が福岡に初めて来るということからライブのことを知った。
ちょうど崎山蒼志とMOROHAのライブには絶対行きたいと考えていたので、今回の対バンは最高の組み合わせだった。
崎山蒼志
崎山蒼志は番組で見ていた通りのイメージで、さすがに話すのは慣れてしまっているのかなと思っていたのだが、話すときの絶妙なため方もまだ健在だったので良かった。
演奏が始まると流石のテクニックと、流れるようなコード進行の変化がすごかった。
特に「ソフト」が一番好きな曲だったので演奏が始まるとかなりテンションが上がってしまった。色んな難しいコードを使って聞き慣れない音を聴いているにも関わらず、音がスムーズに流れているような感覚になる。特に
"死にたい一人の人間は重力から逃げて
昔々 太陽になった"
の部分は急にリズムも変わる部分であり、太陽になった瞬間解放されたような感覚になり好きである。
「国」の始まりの部分にある歌詞についても
"時を止める 僕らだけの幸せそうな国を作ろう
かつて流した涙も忘れるくらいの"
の部分が特に好きである。歌詞を解読するのは難しいが、幸せな国ではなく、幸せそうな国としている部分から、幸せだけではなく、他にも色々な要素があることが表現されていてすばらしいと思う。
崎山蒼志は文学的な歌詞が多く、一見言いたいことがわからない部分もあるが、言葉選びのセンスが半端ないと思う。どこから持ってきたのかわからない歌詞からは才能を感じる。
歌詞的に共感できるとかそういったたぐいの感動ではないが、感覚的にくるものがあり鳥肌が立ちまくるライブだった。
新曲もやってくれて、深夜ドラマの主題歌として書き下ろした曲らしい。もちろんいい曲だった。近々、情報も解禁されるらしいので楽しみにしておきたいと思う。
セットリスト(適当)
01.旅の中で02.ソフト
03.五月雨
04.形のない乗り物で
05.塔と海
06.龍の子
07.神経
08.ブラックリバーブ
09.新曲
10.夕焼け小焼け(コピー)
11.夏至
12.国
13.鳥になり海を渡る
MOROHA
上から目線で言ってしまっているように見えるが、最近はライブ慣れをしてしまっていて、期待したよりもいいライブが見れることが少なくなっていたため、MOROHAなら超えてくれるのかもしれないという思いがあった。
結果から言うと私の予想をはるかに超えてきた。MOROHAという魂そのものを見たような気がする。
MOROHAはライブに魂を燃やして取り組んでいることがわかった。言葉の一つ一つに気持ちを全部乗っけて語っていることがわかって、私の気持ちもその言葉に乗っけることができた。
「遠郷タワー」が始まるといきなり涙が出てしまった。
"良かった 本当によかった
故郷を捨てて あの街を捨てて
しがみつく手を振り切って良かった
言えるようにならなくちゃ"
特にこの言葉にやられてしまったのだと思う。故郷を離れて、親元を離れて、自分の選択を信じて東京に出てきた人の気持ちを歌っているのだが、実家暮らしで故郷を離れたことのない私でも感動してしまった。そして、涙腺が崩壊してしまった。親孝行できるくらいに立派生きないといけないと思った。
「エリザベス」は写真を撮ることが好きなお父さんの曲で、家族の愛情が溢れていた。今、愛する人がいない私にとって、きつい部分もあったのだが、この曲のように愛に溢れた家族を持ちたいと強く思った。特に
"はいチーズって言われてなぜだか
愛してるって言われた気がした
はいチーズって言ったはずなのに
愛してるって言えた気がした"
の部分は、普段使うような些細な言葉を使って愛情のやりとりをうまく表現していて、心にくるフレーズだった。
お金の歌も記憶に残るものだった。MOROHAはお金がほしいと言った。私にとってお金はそんなにほしいものではなく、他にほしいものがいくらでもあるのだが、愛に対して力を入れているように見えるMOROHAがお金がほしいと言った。
MOROHAはお金のない生活をしてきた経験からそう思うのだろう。私はお金に困った経験がないから、お金がほしいと言わないのだろうと思った。今の時点では、お金がほしいなんて言いたいとは思わないが、私もお金がほしいと思えるくらいギリギリで必死に生きてみたいと思った。
「うぬぼれ」も良かった。昔、愛していた人のことを思い出してしまった。
"ありがとう くれて ありがとう
ごめんね なんて言わせてごめんね
あなたに向き合うことで 私は私を好きになれたのです"
という歌詞があった。ごめんって言わせてしまっている自分のことをダメだなって思っていたことを思い出した。そして何かをしてあげて、ありがとうって言われることで、自分の存在の意味を確認できていたことがあったと思い出した。
セットリスト(適当)
01.それいけ!フライヤーマン02.革命
03.上京タワー
04.遠郷タワー
05.恩学
06.一文銭
07.うぬぼれ
08.お金?
09.三文銭
10.エリザベス
11.五文銭
最後に
ほとんど全曲に対して思うところはあるのだが、これ以上説明するようなことは今回はやめておこうと思う。なぜなら、MOROHAの歌詞はどれも良すぎるからだ。挙げるとキリがないので、別の機会に書こうと思う。今回のライブでは歌われなかったが、私が、別れを告げるきっかけになった「tomorrow」や、別れを何度でも思い出してしまう「バラ色の日々」なども聴きたかったのだが、そんなことを思う余裕がないくらい聴き入ってしまった。
正直、このライブを言葉で表すのは無理だと思う。単純な言葉で表現していいものではないような気がした。どのくらいすごかったかというと、思い出による補整抜きにすると今まで行ったライブの中で一番感動したと思う。
記事自体はMOROHA中心に書いてしまったが、元々は崎山蒼志とMOROHAそれぞれライブに行くつもりで、別に崎山蒼志愛が足りない訳ではないということを言っておきたい。
しっかり崎山蒼志さんには物販でお会いしてCDを購入し、サイン入りポストカードをいただいたということも付け加えておこうと思う。
そして、MOROHAと崎山蒼志は個人的に選んだ「Best Song 2018 Top 10」にも含まれているので是非聴いていただきたいと思う。
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